照明の種類と技法 (Lighting Types)

光の方向と位置 (Directionality)

被写体の立体感を決める最も基本的な要素です。

フロントライト、被写体の正面から照らし、影がほとんどなく平面的だがディテールがよく見える

サイドライト、横から照らし、質感と立体感が最大化されドラマチックな人物・風景写真に適する

逆光、被写体の後ろから照らし、人物の表情は暗くなるがシルエットとラインが強調される

トップライティング、頭上から照らし、崇高または孤立した印象、目元に影が落ちる

アップライティング、下から上へ照らし、ホラー映画のように奇怪で威圧的な雰囲気を演出

リムライト、後方の斜めから照らして被写体の縁に光の輪郭を作り、背景と人物を分離するときに必須

キッカー、リムライトに似ているがやや側面寄りから照らし、頬や肩の輪郭を強調

光の質感とコントラスト (Quality & Contrast)

影の濃さと境界をコントロールします。

ハードライティング、小さく強い光源で、影の境界がナイフのようにくっきりしてコントラストが強く、力強い男らしさやフィルム・ノワールに向く

ソフトライティング、大きく拡散した光源で、影が柔らかく広がり、ビューティー写真や赤ちゃんの写真に適する

拡散光、雲やカーテンを通った光のように全体的にほのかに広がり、まぶしさがない

キアロスクーロ／明暗法、光と闇のコントラストを劇的に強調したバロック絵画スタイル

ハイコントラスト、明るい部分は非常に明るく暗い部分は非常に暗く、強烈な印象を与える

ローコントラスト、明暗差が小さく、落ち着いてヴィンテージな雰囲気

スタジオおよびポートレート照明セッティング (Studio & Portrait Setup)

プロカメラマンがスタジオで使う定型的な照明配置法です。

3点照明、キーライト＋フィルライト＋バックライトをすべて使う、最も安定して立体的な3D／放送標準の照明

レンブラント照明、暗い側の頬に逆三角形の光（Triangle of light）を作る古典的で雰囲気のある技法

バタフライ照明、鼻の下に蝶の形の影ができるように上から正面に照らし、顔が細く華やかに見える

スプリット照明、顔のちょうど半分を明るく、半分を暗く分けて二つの顔の印象を与える

ループ照明、鼻の横に小さな輪のような影ができる、最も無難で一般的なポートレート照明

ブロードライティング、カメラに向いた広い側面を明るく照らし、顔が広く見える

ショートライティング、カメラの反対側の狭い側面を明るく照らし、顔が細く立体的に見える

環境および特殊レンダリング効果 (Environmental & VFX)

空間感とリアリズムを高める高度な技法です。

ボリューメトリックライティング、霧やほこりの間を通る光の筋がはっきり見える効果で、神聖で荘厳な印象

グローバルイルミネーション、光が壁や床でバウンスして空間全体をほのかに満たす、リアルな3Dの光

サブサーフェス・スキャタリング、光が肌や葉っぱ、ゼリーを透過して中が透けて見えるような赤く透明な効果

コースティクス、グラスの水やプールの底で光が屈折して生じる、揺らめく光の網目模様

レンズフレア、強い光を正面から見たときレンズに生じる六角形の光の玉で、映画的な雰囲気

ボケ、ピントの合っていない背景の光がふんわりした円形として写る

アンビエントオクルージョン、隅の角にできる細かく濃い影を強調してディテールを際立たせる